石本 正の作品

「蟠竜湖乙女の眠り」
2004(平成16)年
画家が幼少期に遊びに行ったことのある島根県益田市の蟠竜湖(ばんりゅうこ)をテーマに描かれた「蟠竜湖シリーズ」。その中には、人魚の姿で水中を泳ぐ女性たちが多く登場する。幼い頃ともに遊んだ水辺の生き物たちとの思い出が、長年描き続けてきた裸婦やロマネスク彫刻のイメージと融合し、不思議な世界観を創り上げている。
安らかな笑みを浮かべて眠る人魚と目覚めを誘うかのように周囲で戯れる小魚たち。穏やかな湖の様子から、画家が抱くふるさとへの温かな想いが感じられるようだ。