石本 正の作品

「雪景」
1974(昭和49)年
ロマネスクなど中世ヨーロッパ美術に憧れつづけた彼が、1964(昭和39)年に、初めて念願のイタリア訪問を果たした。この時、シエナ市庁舎(パラッツォ・プブリコ)の壁に描かれた『シエナ将軍グイドリッチョ・ダ・フォリアーノの騎馬像』〔シモーネ・マルティーニ(1284頃-1344)作〕を見てから、白と群青の対比のえも言われぬ美しさを、日本画の絵具で描いてみたいと思うようになった。この作品は、そのイメージと新潟県の妙高高原の春先の景色とを重ねて描いている。