石本 正の作品

「夏の恵み」
2014(平成26)年
夕焼け空の下に置かれた夏野菜。その中でも一際存在感を放つ大きなかぼちゃは、太い輪郭線によって立体感が強調されている。さらにかぼちゃとは対照的に、小さくさらりと仕上げられた茄子などの描写は、この絵の主役が誰であるのかを教えてくれる。
真っ赤な空と力強く描かれた描線は、画家が最晩年に見せた生命のほとばしりを感じさせるかのようだ。