石本 正の作品
「姉妹」
1973(昭和48)年
彼は長い間、真っ黒い舞妓、不動明王のような舞妓を描きたいと願ってきた。和歌山県にある高野山金剛峯寺の赤不動や滋賀県の園城寺の黄不動、そんな宗教的なものを作品にとり入れたかったのだ。
また、ゴシック期の画家チマブーエ(1240頃-1302頃)が描いた、サン・フランチェスコ聖堂(イタリア/アッシジ)の壁画に描かれていた、経年により黒く変色してしまった「キリスト磔刑図」も、この作品を構成するイメージのひとつだ。黒いキリストの磔刑図、火焔に包まれた不動明王、さらには日本の女性の情感をそっくり箱詰めしたような舞妓、この3つを画家なりに消化した上で描こうとしたのがこの作品だ。顔は、舞妓ではなく不思議な不動明王のようなものにしたかったという。
また、ゴシック期の画家チマブーエ(1240頃-1302頃)が描いた、サン・フランチェスコ聖堂(イタリア/アッシジ)の壁画に描かれていた、経年により黒く変色してしまった「キリスト磔刑図」も、この作品を構成するイメージのひとつだ。黒いキリストの磔刑図、火焔に包まれた不動明王、さらには日本の女性の情感をそっくり箱詰めしたような舞妓、この3つを画家なりに消化した上で描こうとしたのがこの作品だ。顔は、舞妓ではなく不思議な不動明王のようなものにしたかったという。