石本 正の作品

「秋」
1981(昭和56)年
ある時画家は、美しいモデルに出会った。彼女が「見ざる、聞かざる、言わざる」のような、口を押さえるポーズや耳をふさぐポーズをとった。手をあわせるようなポーズをとった瞬間、石本はモデルの中に奈良興福寺の阿修羅像があらわれたのを感じた。描かれた女性の手の形は、阿修羅像の手を意識したものだ。