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展覧会 EXHIBITION

石本正「朱唇」1988(昭和63)年

石本正記念展示室

2024年3月20日(水・祝)~5月26日(日)
 日本画家・石本正(1920~2015、島根県浜田市出身)は、生涯をかけて女性美を追求した画家の一人です。石本が描く女性像は、外見的な美しさにとどまらない深い精神性を湛え、これまで多くの人々を魅了してきました。
ぬくもりまで感じさせるかのような実在感のある肌、女性の内面を映し出す眼差し、薄く色づいたたおやかな指のしぐさにいたるまで、彼のこだわりは作品の随所にうかがえます。その卓越した表現力と戦後日本画界に与えた影響は大きく、1971年には第3回日本芸術大賞と第22回芸術選奨文部大臣賞を受賞。「在来日本画の裸婦表現に一エポックを画した」と高く評価されました。
 本展では、若い頃から晩年までの女性表現の移り変わりを展覧するとともに、構図やしぐさによって生まれる美に着目した作品など約50点を一挙公開します。

平坂常弘「赤い果実」2022(令和4)年

企画展示室

2024年3月20日(水・祝)~5月26日(日)
 浜田市立石正美術館前館長・平坂常弘の個展を開催いたします。
 平坂は1955(昭和30)年に浜田市三隅町に生まれ、絵を志して多摩美術大学に進学。当時の教授であった日本画家の加山又造(1927-2004)に強い刺激を受けつつ充実した学生時代を過ごしました。卒業後は故郷へ戻り、家業を継いで仕事をしながら絵を描き続けました。2001(平成13)年、石正美術館の開館とともに館長に就任、同郷の大先輩でもある日本画家・石本正と出会います。以後、石本の絵に対する深い思いに寄り添いながら2020年12月までの20年間、当館の運営に携わり続けました。すべての根底にあったのは、故郷を誇りに思う心でした。
 本展では、幼少期から現在に至るまで、彼が心を込めて描いてきた作品約40点を一堂にご紹介します。一人の絵描きが、故郷や石正美術館に向けてきた思いを、作品と共にご覧ください。