石本 正の作品

「秘花」
1996(平成8)年
菊をデッサンしていたら、燭台でろうそくが燃えている様子を浮かんだと言う。 「まるで、多くの命が燃えているように見える。年老いていき、やがて葉が散り、枯れてしまう寸前が美しい。それがいとおしくてならない。」(石本正)
まるで黒のようにも見える、菊花の周囲に入れられた深い青。今を盛りと咲く花が、はかなく散って行く哀しさと美しさが強調されているようである。