石本 正の作品

「水辺」
1961(昭和36)年
水辺を飛ぶ鳥の群れ。飛んでいる鳥のスピード感や躍動感を表現するため、顔やくちばしははっきり描かれていない。そうすれば、速く飛んでいるように見えるのではないかと思ったのだという。
ペインティングナイフで絵具をけずるという独特の技法で鳥の羽の質感や水面の様子を表現している。これはそれまでの日本画技法にはなかった新しい手法で、彼が生み出すこういった斬新な技法は多くの人々の関心を集め、当時の日本画壇にも大きな影響を与えた。