石本 正の作品

「高雄口」
1948(昭和23)年
京都の双が丘付近から北西にそびえる愛宕山を描いたという。描かれた集落は、当時彼が暮らしていた場所だろうか。夕陽を浴びる山々と家並み。山の高い所と、奥の家の壁だけに当たる明るい残照が、刻々と日が沈んでゆく夕暮れ時の様子を伝えている。
細部を省略し線と面で構成した家並みの表現は、この2年後に描かれた青年時代の代表作「五条坂風景」へのつながりを感じさせる。