石本 正の作品

「夢」
1983(昭和58)年
この作品から、石本は女性の後ろに絨毯を描くようになった。「絨毯に横たわる裸婦」は当時の彼にとって何年越しかのテーマで、バックの絨毯の中に風景的なものがなかなか表現できずに苦しんだという。
アルメニアのセルゲイ・パラジャーノフ(1924-1990)がつくった映画『ざくろの色』(1971年公開)は、非常に華麗かつ幻想的な映像詩で、彼の大好きな映画のひとつだ。そこに出てくる絨毯を見て、自分の作品で表現してみたいと思ったのがきっかけだった。絨毯の模様は、インドの布からヒントを得て想像して描いている。